結論:クリエイティブは内向型が圧倒的に有利である
理由1:内向性が高い人ほど、多様なコンテンツの発想ができるから
クリエイターやアーティストは内向型の人に大きな適性があります。クリエイティブ職は、アイデア、世界観が求められます。
アイデアや世界観は、普段から内省を繰り返している人ほど、ストックがあります。アイデアや世界観の源を普段から持っているわけです。これって、クリエイティブすることが自然に板についているってことなんです。
内向的な時間は、発想力・企画力・想像力すべてに繋がります。小説、脚本、台本、歌詞、ネタ、ストーリー、構成、色使いなど、エンタメやアートのあらゆる部分が内向性と密接に関係していると言えるでしょう。
理由2:内向性が高い人ほど、スキルを主体的に活かすことができるから
内向型の人と、外向型の人が同じスキルを高めたとしましょう。例えば、Adobeのアプリケーションをいかに使いこなせるかというスキルで同じレベルに達したとします。
その際、外向型の人は、ソフトの使い方が分かるというオペレーションレベルの枠に留まりやすい傾向があります。
一方、内向型の人は、「このスキルがあれば、この世界観をこう表現する際に、あのスキルと組み合わせれば、より、ああいう属性の人たちに刺さったコンテンツになりそうだ」と内省することができます。
内向性が高い人ほど、インプットしたものと掛け算する材料が多いのです。内向性とは、インプットしたものと掛け算すべき材料が詰まった引き出しのようなものなのです。
理由3:内向性が高い人ほど、情報を二次的に改変していけるから
内向型の人がインプットするものは、スキルだけではありません。知識、事実、情報などをインプットしていきます。
内向性が高い人ほど、1つの知識で多感に多彩に深く俯瞰して物事を感じ取ります。すると、「この知識を、あの分野に置き換えて、表現すると面白そうだ!」という二次改変が短時間で大量に思い付くようになります。
基本的に、クリエイティブやアートというのは、今の世界で表現された情報や、今の世界で起こっている事実に対して、解釈や咀嚼を行い、自分で二次的に改変していくようなことだと言えます。
どんなにオリジナルに見える作品でも、それが生み出される背景やきっかけとしてのさらなる起源が存在しているのです。
作家、漫画家、イラストレーター、YouTuber、シンガーソングライター、音楽家などのクリエイターやアーティストは内向型に圧倒的な適性があると言えます。
外向型の人が活躍しやすいコンテンツも存在する
内向型の人のほうがクリエイティブやアートの分野では有利と述べましたが、クリエイターという職業は、非常に多くの意味を持ちます。
実は、外向型の人のほうが活躍しやすいコンテンツも存在するのです。以下に、外向型の人のほうが向いてるコンテンツをピックアップしてみたいと思います。
コンテンツ1:身体的魅力を生かす
いわゆる「パフォーマー」と呼ばれる人たちがアウトプットするコンテンツです。身体的な魅力を生かすかどうかという視点で考えてみると良いでしょう。
体の動きで魅せるダンス、発声で心を震わせる歌、ボイスパーカッションなどがそうでしょう。
シンガーの場合、作曲や作詞などは内向度の高い別のクリエイターが用意し、表現することに長けたボイストレーナーが鍛えれば、非常に外向的な人でも、立派なアーティストになるでしょう。
また、表現力に欠けていても、外見・容姿がいい人がレポートやレビューをするだけで番組が成り立つこともあるでしょう。
身体的魅力を生かすことが求められるエンタメやアートの分野では、外向型の人に軍配が上がるケースが多くなるように感じます。
コンテンツ2:大衆向け・情報弱者向け
情報弱者とは文字通り、情報に弱い人たちですから、内向型の人が深い表現をするよりも、外向的な人が分かりやすく、力強く伝えたほうが、圧倒的な人気になるケースがあります。
コンテンツ3:過激系・炎上系
内向型の人が、外部の物理的なベクトルへ強く踏み出すよりも、内部の精神性や世界観をスキル使って表現することを選び勝ちです。
そう考えると、過激なことに挑戦するコンテンツ、他者を強く煽るような炎上コンテンツ、この点においては外向型の人に適性があると言えます。
コンテンツ4:短尺と更新性が重要なケース
尺がとても短いプラットフォームやジャンルで戦う場合は外向的な人に軍配が上がるかもしれません。内向型の人は、一つの作品に独自性や深みを出すことをこの傾向にあるからです。InstagramやTikTokなどの超ショートなSNSでのインフルエンサーをクリエイターに含む場合、外向的な人のほうが適性のある要素が多いと言えます。
内向型とエンタメの世界
内向型はサブカル向き、外向型はメジャー向き
ポップカルチャーやエンタメの世界では、内向型の人の突き詰めた感性よりも、外向型の人が、自分なりに深い表現にチャレンジしたほうが、一般的なヒットを生み出すこともあります。
内向型の人が、自分が好きなような深さを打ち出すと、共感してくれる人の数が縮小して、サブカル化してしまうんです。
エンタメのジャンルによって、受け入れる深さ(もしくは浅さ)が違います。同じジャンルでも、時代によっては、ヒットを生み出すコンテンツのに必要な深さ(もしくは浅さ)は違ってくるでしょう。
ただ、傾向として、内向型の人のほうが自然にコンテンツがコアでサブカルのほうへ走っていくでしょう。
内向型は玄人に好かれ、外向型は素人に好かれる
エンタメに関し、内向型は玄人好みのコンテンツを作るクリエイティブに非常に適性があると言えます。
それは、玄人がもともと内向型である傾向があるからです。内向型の人が内向型の人に共感するのは当然ですよね。
内向性の高い人が、自分独自の内向性をフルに表現されたコンテンツを見た際に、玄人の人を喜ぶ傾向にあります。なぜなら、オンリーワンで深いコンテンツは、その人が居なければ誕生しなかったことを玄人はきちんと察知するからです。
玄人は自分なりに尖っているため、自分しか出せないものを理解し、別の独自のあるクリエイティブに触れた際に、それがその人だ自身の唯一性に振り切ったから生まれたと寄り添ってくれるのです。
内向性の視点はクリエイティブの真理を紐解くヒントになる
あのクリエイターは内向的か、外向的か?
以上、内向型のアーティストやクリエイターへの適性を掘り下げてきました。今回の内容を踏まえたうえで、様々なエンタメやポップカルチャーやアートの分野を見ると面白い発見がありそうですよね。
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あのクリエイターは内向的か、外向的か?
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このコンテンツは、外向的な人にはハマりそうだけど、内向的な人は浅いって捉えるかもしれない
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今のバンドは、演者は全体的に外向的だけど、ボーカルが作詞と作曲をしていて、この人の内向性が作品性の基盤になっている
内向度・外向度を調整できれば、あなたはベストクリエイター
内向性・外向性というのは、その人の持つ感度や感性のことを意味します。だから、クリエイティブやアートのアウトプットの特徴と強く結びつくわけです。
そして、一人のアーティストやクリエイターが、時代や客層に合わせて、コンテンツを生み出すために利用する内向性や外向性の度合いをコントロールできれば、自分の狙った世界で狙って成功できるようになります。
自分の鋭く尖った内向的な感性で生み出したものがそのまま気に入られて成功する場合もあるでしょう。しかし、それはもはやほぼ偶然の成功としか言えませんよね。
狙って成功する場合は、お客さんとなってくれる人たちの感度や感性に沿って、クリエイトする力が重要になります。周囲の感性や感度を俯瞰するという意味では、内向型のほうが、ずっと外向型の人より得意でしょう。
クリエイターやアーティストに興味のある人は、ぜひ、今回の記事を参考にしてみて下さい。