内向型がアスリートとして成功するために
日本初!?内向型とアスリートの関係を徹底解説
内向型の研究を進める中で、私たちはとても興味深い点に気づきました。それは、内向型の持つ内向性の使い方が、スポーツの才能を開花させるかどうかに大きく影響するということです。
これは、内向的なアスリートには朗報となるかもしれません。なぜなら、自身の内向性の使い方を少し正すだけで、長らくのスランプを脱し、むしろ、ライバルから一歩も二歩も抜きんでることができる可能性を示すからです。
そこで、今回は、内向型とアスリートの関係を徹底的に掘り下げていきます。将来的にアスリートやプロスポーツ選手としてのキャリアを考えている人には、とても参考になる内容ばかりです。それでは、さっそく本題に入っていきましょう。
内向性が競技に与える影響
内向型はスポーツに有利なのか?
結論から言えば、「内向型は、スポーツにおいて、練習の向上では有利で、本番での成果を出す点においては不利」と言えます。
要は、練習を通して、スキルを上達させることは得意でも、実際の試合は苦手だということです。一言で言えば、内向型はスポーツに限定すれば、本番に弱い傾向があります。
この理由は至って単純で、練習には自由度があり、内向性の内省をフルに活用する時間を含めた余裕があるからです。
一方、あらゆるスポーツの本番は、限定的な時間の中、瞬時の判断が求められます。もはや、判断せずに、反射的に動くことすら求められます。要は、内向性をフルに活用しようとすると、出遅れてしまうのです。
内向型アスリートの中には、「なんで、アイツは練習で自分よりダメで、技術が低いのに、試合では自分では結果を出すんだろう!?」と悩んでいないでしょうか?練習の成果を本番で出し切れていないスポーツ選手の多くが、試合中に自身の内向性を使い過ぎているのです。
身体能力の向上は外向型に軍配が上がる
筋力トレーニングを行い、自分の体をビルドアップすることは、スポーツ選手の多くに求められることですが、この点においては、内向型よりも外向型のほうが得意でしょう。
筋力トレーニングのコツは、「正しいフォームで限界の負荷ギリギリまで自分を追い込めるか」、この一点に尽きます。要は、難しいことを考えずに一気に取り組めるかどうかなんです。
筋トレは、確かに競技へのパフォーマンス向上に直結しますが、競技そのものスキルや実戦のトレーニングではないですよね。
こうした筋力トレーニングの構造から、内向型は筋トレに対するモチベーションのコントロールを非常に難しくします。
しかし、外向的なアスリートの場合、表側(外見)に面白い変化が訪れる筋トレは、外向型のドーパミンを刺激します。表層的なことをして、表層的な部分にポジティブな変化が訪れるので、筋トレは、外向的な人のドーパミンをめちゃくちゃ刺激するのです。
その結果、外向型は趣味のような感覚で、楽しく筋トレを行い、競技パフォーマンスにフィードバックさせるのです。
内向型は閉鎖的なトップダウン型のスポーツ組織では不利になる
アスリートが自身の競技で成果を出す際に、障壁になりがちなのが、部活の監督や先輩たちです。
内向型は自己を開示できない環境で、パフォーマンスを発揮しづらいので、有無を言わさない指導者や先輩がいるだけで、とても萎縮してしまいます。
要は、内向型は後輩期間が苦手なんです。体育会系的なスポーツ組織内で、後輩としてうまくやり過ごすことができないのです。
1年生の頃から実力があり、指導者や先輩が認めてくれる状況なら自尊心や自己効力感が高いため、内向型でもうまくチーム内でやっていけるでしょう。しかし、後輩として実力のない位置づけから成り上がることが、内向型はとても苦手な印象があります。
このことからも、内向型は後輩期間、駆け出し期間では、なるべくチーム外で、信頼のおけるコーチを探し、質の高い自主練で著しく成長することが望まれます。
競技別適性:内向型に向いているスポーツ
向いてるスポーツ1:野球
野球は内向性の生かしどころが多く、試合では内向性をいかす間がきちんと用意されたスポーツと言えます。配球を考えるのは、ピッチング、バッティング、守備、走塁すべての結果に重要な影響を与えます。
ただし、日本の野球界は非常に閉鎖的で、内向型野球選手の場合、チームの指導者や先輩との障壁を乗り越えることが大きな成功要因になるとも言えます。監督やチームの雰囲気や指導方針をきちんと考慮したうえで、学校や所属先を選ぶべきです。
向いているスポーツ2:バレーボール
世界的に見て内向性が高い日本人が得意とするスポーツです。日本人の女子バレーの強さは、東洋の魔女と言われました。
野球ほどではありませんが、比較的内向性を生かす「間」が試合の中で用意されています。
1セットにつき25点先取し、先に3セット(3セットの場合は2セット)先取したチームが勝利というルールも内向性に向いていると言えます。ミスをしても立て直しができるからです。1セット目で相手の状況を内向的思慮で捉え、2セット目以降のパフォーマンスに生かすこともできます。
向いているスポーツ3:卓球
卓球は、球技の中でも、最も心理的な要素が強いと言われています。卓球専門メディアのRallysでは、
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「プレー以外の時間」が圧倒的に長いので、ここを戦略的に考えることが出来れば、勝利へ一歩近づく
と言及されています。相手との距離。ほんのわずか2mほどの近い距離で常に対峙してプレーし、、表情、顔つき、息遣い、しぐさなど得られる情報も多いため、内向型が内向性を発揮すれば、心理を揺さぶる手掛かりを多く見つけることができます。
今回取り上げたスポーツ以外にも、試合や本番で内省を活用しやすい競技は内向型に向いていると言えます。
練習では、①よりよい情報や指導者さえに有りつけること、②内向型が伸び伸びできる心理的安全性が保たれていること、この2つが整えば、どんなスポーツでも上達できると言えます。
内向型がスポーツで圧倒的な結果を出す方法
方法1:所属先以外のコーチに積極的に教えてもらう
自分が所属しているチーム以外の指導者から習うというのは、内向型がアスリートとして圧倒的に活躍するためにはとても重要だと感じています。
なぜなら、所属先のチームの指導者に対して自分らしく振舞えない内向型アスリートが非常に多く見受けられるからです。部活の場合は、中学や高校は3年間しかありません。1日1日が非常に大事な成長の機会となります。
部活が終わった後に、整体師やパーソナルコーチなどに少々高いお金を払ってでも投資すると良いです。サービス提供者は、献身的にレッスンをしてくれるため、内向型アスリートも短期間で本音でコミュニケーションすることができます。
外部の指導者の発言や感覚を取り入れることで、競技の本質を捉える内向性も最低化されていきます。
方法2:本番・試合では内向性を削ぎ落す
本番や試合でどんなプレーをするのかにもよりますが、スピード感が高いものほど、本番では内向性を削ぎ落すと、結果が好転しやすくなります。
考えすぎないことを良しとするのです。思慮をより絞るというのもそうでしょう。すべてを捉えようとせずに、最も重要なものだけに焦点を当て、プレーに生かす、そのような感覚です。
特に練習と同じような思慮を本番に持ち込んで、プレーが出遅れる内向型は多いように感じます。練習は、反復が可能で、深い内省をしながら自分のペースで取り組むこともできます。しかし、このような内省の質感は、一発勝負の本番にマッチしません。
データを全部見るのではなく、顕著なものだけを頭に入れ、データとは異なるケースに遭遇したら、そのデータを一気に切り捨てることも大切です。セルフチェックするポイントを練習よりもずっと少なくて構いません。
瞬時の判断が求められるプレーは、より反射的に取り組めることが理想です。なぜなら、思慮が多すぎると、脳のワーキングメモリが浪費され、最終的なアウトプット「スイングしてボールに当てる」「シュートを打つ」といったことが遅れる可能性があるからです。
あなたのプレースタイル、プレーマインドセットの引き出しの1つとして「本番・試合では内向性を削ぎ落す」ことを用意しておくと、より良い結果を引き寄せることができます。
方法3:プランナーやメンターを置く
内向型アスリートは、気にする癖が多く、1つの練習に固執し過ぎたり、やりたいことが多いのに実現できていない焦燥感に駆られたりしがちです。
内向型は自分の練習を自分で組み立てることは大好きでしょう。これは、クリエイティブな分野では非常に最適な行為なのですが、スポーツの場合、悪い方向に進む可能性が比較的高くなります。
自分のペースを、他人に決めてもらう、ここに投資するのは内向型アスリートにとっては、精神衛生的にとても良いです。アスリートにとって、プランナーやメンターになるのは、パーソナルコーチになるでしょう。
単に練習だけではありません。食事を栄養士に決めてもらうのも良いでしょう。リモートでカウンセリングやコーチングを睡眠前に受け、安心して一日を終えることに投資するのも良いでしょう。入眠の質が上がり、目覚めが良くなり、毎日のペースが出だしからコントロールしやすくなります。
方法4:2つ以上の競技に専門的に取り組む
野球とバレー、柔道とサッカー、といった感じで、2つ以上の競技に専門的に取り組むと、本業での結果がより圧倒的になります。
内向型は「スキルを身に付けるスキル」を磨くと、スポーツだけでなく、あらゆる物事で結果を出すスピード感が爆発的に向上するのです。
そのためには、物事の構造を俯瞰し、因数分解し、必要な努力を自分に与えることが大切になります。2つ以上の競技をすると、両方の競技の共通点、相違点を様々に比較することができ、これは「スキルを身に付けるスキル」のセンスの素材となります。
アドバイスとしては、本業が野球であれば、マラソンをサブのスポーツとして取り組むのはオススメしません。相違点が多すぎて、共通点が少ないからです。ソフトボールやバレーボールなどの球技を選ぶべきでしょう。ピッチャーであれば、「投げる」ということをより構造的に得るために、やり投げ、ハンマー投げなどの専門性を深めるのも良いです。
方法5:整体院に通い、自身のカラダの内省を磨く
内向型アスリートが、ちょっとした投資で、大きなフィードバックを得られるのが整体院の有効活用です。
自分の体の癖を知る、体全体の構造を知る、この両者が整体院です。スポーツにおける多くのアドバイスは、正しい骨格や柔軟性をベースにしているため、整体院で自分の体を矯正することはすべてのアスリートにメリットがあります。
1つの整体院に通うのではなく、様々な整体院を巡ることで、様々な整体師の様々な言い回しに触れることができ、自身のカラダの本質をより適切に内省できるようになります。
スポーツにおける自身のカラダの内省を磨くことは、外向型が最も苦手とすることです。やはり、この部分の個性を磨くことは、内向型アスリートが圧倒的な結果を残すことに繋がると断言できるでしょう。
最後に:内向型はやりたい競技で大きく輝ける
スポーツに向き合う内向型は、違うスポーツ以外でも輝けるようになる
内向型であること、内向性の高さは、良くも悪くもスポーツでの上達、試合でのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
所属先では、「みんなが同じ練習している」という状況は珍しくありません。しかし、そんな練習環境でも、知識を増やし、捉え方を変えるだけで、外向型アスリートよりも、実りのある練習に変えることができます。
また、自分が自由に扱える時間で、今回の記事の「内向型がスポーツで圧倒的な結果を出す方法」のセクションで推奨した5つのやり方を実践すれば、あなたの競技人生はより輝きを増すことになるでしょう。
スポーツ選手というのは、ピークが限られ、いつかは現役を終えるときがきます。作家やアーティストは、長期的な時間をかけて老練になることができますが、スポーツ選手はそうはいきません。
内向型アスリートが、自身の内向性をスポーツでフル活用する努力をすれば、セカンドキャリアで、経営者やクリエイターになった際も、スポーツで学んだことが非常に生きてきます。だからこそ、失敗を恐れずに、今大好きなスポーツに全力で向き合ってみて下さい。