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内向型は遺伝するのか?内向型と遺伝の関係

内向性は生まれつきのものなのか?内気な子どもは一生内気なのか、内向型の遺伝の謎を掘り下げて解説

結論:内向型は遺伝しない

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内向性が出来上がる構成要素を考えれば、遺伝が多大な影響を与えるケースはレアだと言えるだろう

内向型人間になる要素とは

内向性・内向度とはパーソナリティのように捉えるかもしれませんが、結局は

のことなのです。目標は遺伝しますか?好みや認知や環境は、親が与える物での影響も大きいため、遺伝したかのように感じることもあるでしょう。経験やスキルも遺伝しませんよね。

健常な脳なら、内向型は後天性

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脳障害による極度の内向性の疑いがあなたにはあるだろうか?

脳に特段の異常があり、ドーパミン、アドレナリン、セロトニン、エンドルフィン、コルチゾールなどの神経伝達物質、及び神経調整機能が一般的な人と異なる場合、それが遺伝的な影響の可能性があるかもしれません。

一般的な生活の最も根本的な歩く、食べる、着る、眠るなどのことができるのであれば、あなたの内向性もしくは外向性は、遺伝ではないと言えるでしょう。自身の目標、好み、認知、環境、経験、スキル、置かれた状況などが複合的に絡み合っているだけなのです。

D4DR遺伝子と内向型の関係

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内向型と遺伝の関係でよく取り上げられる遺伝子がD4DRだ

D4DR遺伝子とは

ネットでよく言われるD4DR遺伝子が内向型に影響を与える点について掘り下げていきましょう。

D4DRは新奇性追及遺伝子と言われ、好奇心・新しいものへすぐに飛びつくといった性格に関わると言われています。D4DRはドーパミンに影響を与えます。ドーパミンは人のモチベーションを上げる神経伝達物質です。

D4DRが短いと、新しいものに対してドーパミンが分泌されづらく、D4DRが長いと新しいものに対してドバっとドーパミンが分泌されるという理論です。

D4DRは、短いもので2回、長いもので12回と大きな差があります。このことから、

と言われ、だから、「内向型・外向型は遺伝だよね」という記事やブログがネットで散見される状態になっています。

D4DRの差が性格に与える影響

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D4DRの差によって、内向度がどれだけ変わるのかをイメージしよう

人のD4DRに差があることは分かっていても、その差が実質的に性格をどの程度変えるのかは明確には分かっていません。

そう考えると、「イケメンはモテやすいけど、イケメンでもモテないやつはいるし、ブサイクでも他の性格やスキルや女性の好みによって十二分にモテるよね!」と言ってるのと変わらないと思います。

内向型は内向的な新奇性を追求する

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内向型には内向型の新奇性追求が、外向型には外向型の新奇性追求がある

そもそも、新奇性追求が強いと外向的、新奇性追求が弱いと内向的という図式が間違っているように感じます。

内向型は、哲学的なこと、想像的なことへの新奇性追求は、外向性よりも非常に強いと言えるでしょう。しかし、多くの言説では、「物理的な動きがないもの」は新奇性がないと決めつけて、内向型とD4DRを語っています。

扁桃体と内向型の関係

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扁桃体は、不安や恐怖といった感情の中枢であって、内向性の中枢と言えるのだろうか

アメリカの発達心理学者のジェローム・ケーガンの実験

アメリカの発達心理学者のジェローム・ケーガンが行った実験も、内向型が遺伝に影響する可能性を示唆しています。

生後4カ月の赤ちゃんから成長するまでの多くの人を長期観察すると、赤ちゃんの時から外の刺激に敏感に反応し大泣きする子は、大人になると内向型になるいう結果が得られました。

ジェローム・ケーガンは、扁桃体に注目しました。扁桃体は、不安や恐怖といった感情の中枢であると言われています。

内向性はすり減らすことができない

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一度身に付いた内向性を鈍感にすることはなかなか難しい

内向性とは一度身に付けると、なかなか剥奪することができないリテラシーのようなものです。

繊細に感じることを覚えてしまうと、鈍感にはなれないのです。そのため、外へ出ると非常に疲れてしまい、内向きなマインドセットになります。赤ちゃんの頃から、敏感に感じる機会に恵まれた人は、非常に高い内向性を得ることができるでしょう。

ですから、ジェローム・ケーガンの実験での「赤ちゃんの時から外の刺激に敏感に反応し大泣きする子」を「生まれつき」とは解釈できない部分もあります。

要は、生まれて4カ月の赤すぐに、内向性を高める経験を多く積んだと言えます。赤ちゃんの頃は大人に比べて、世の中をうまく過ごす知識も能力もありません。赤ちゃんにとっては、あらゆることが不安や恐怖で、この時期に扁桃体をいかに刺激したかという視点を持ってみるのも大切です。

現状の内向性とは過去の積み重ね

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健常な生活を送っているのであれば、内向性とは過去のストックを表現したあなたの性質と言うべきだろう

脳や遺伝のせいにすることで、楽になれる

「自分の内向性は、遺伝だからしょうがない」と認知すれば、非常に楽になります。自分が変わらないと断定すれば、自分が変わらなくて良いからです。すると、外向的な分野に関しては野放しにできます。すっぱり諦めることができますよね。

20年の経験や習慣を1年で変えることを脳は拒みます。それは過去を自己否定することで、自尊心を傷つけ、自分に脅威を与えます。新しいチャレンジは、上手にできるようになるまでは、コントロールが利きませんよね。

自己否定からのチャレンジとは、ある種、ドーパミンが出ずにテンションが上がらず、セロトニンによる幸福度が感じられず、ストレスホルモンであるコルチゾールだけが多く出てしまうモノと言えます。

だから、「自分の内向性は、遺伝だからしょうがない」と認知したい気持ちも分かります。外向的な分野に対する向上心を捨てることで、楽に生きることができるという方法も良いでしょう。

自身の内向性を生かして本当に楽に生きる方法

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内向性を磨いて、内向性を生かせば、無限の可能性が広がる

しかし、私たちの見解では、自分たちの内向性をフルに生かして、より豊かな成功と栄光と幸福を得るためには、

という方法です。コミュニケーション能力があれば、対人関係のストレスを減らし、逆に余裕を増やし、自尊心を高めることができます。すると、対人関係でコントロール感が芽生えるため、他人との会話が好きになり、得意になります。

ここに元来のあなたの内向性が加われば、最強で最高です。自分へ内向きに感受できるということは、相手をイメージして、相手の内向きな思考や価値観を感じ取ることでもあります。

カウンセリング、ヒアリング、ディレクション、コンサルティング、エスコート、プレゼンテーションなどは、対象者の内側を理解し、いかに内側の情報を引き出すかが重要です。

結果的に、あらゆるコミュニケーションは、相手の内側を理解する力が必要であり、実は自分の内側へ迫る習慣は、相手の内側へ迫る能力でもあるのです。それは、自分も相手も同じ人間だからです。配慮とは、あらゆることに気づき、あらゆることの可能性を検討することです。

あらゆる分野は内向的な気づきを必要としている

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自分の内向性にもっと期待すれば、あなたには自分の期待値を超えた出来事がたくさん訪れる

コミュニケーションに限らず、あらゆる分野は、気づきから始まります。内向型の才能をフルに生かすためにも、ぜひ、外向力をスキルで埋めていってください。決して気質として外向的になる必要はありません。

外向的なマインドセットがなくても、外向的な物事にやる気を見出せなくても、スキルで外交力を担保すれば、あなたの内向性が魅力になる場面がとても増えていきます。

時には無茶したり、大胆になったり、外向モードの自分のスイッチを入れるようなこともできるようになるでしょう。

内向型は遺伝しない、この視点を持ってみて下さい。